2006年11月01日
米食と胃潰瘍・胃癌
米食と胃潰瘍,胃癌との関連は従来から指摘されてきている。その理由としては,米食が食塩過多になりやすく,食塩が浸透圧ストレスなど胃粘膜へ望ましくない作用をするためだということが一般的に考えられている。しかし,グルタミンとの関連で考えると,別の説明が可能である。
この観点から興味深い論文がある。
J. Med. Microbiol. 46, 793 (1997)
Am. J. Physiol. Gastrointest. Liver Physiol. 283, G1264 (2002)
前者はピロリ菌が胃粘膜のグルタミンを枯渇させること,後者はピロリ菌の産生するアンモニアが胃粘膜を傷害するのをグルタミンが抑制することを報告したものである。
前回書いたように,過度の米食および低蛋白食はグルタミンの供給を下げる。その結果,胃粘膜のピロリ菌に対する抵抗力が落ちて胃潰瘍,胃癌へと結びつくことが考えられるわけである。
上の論文はグルタミンがピロリ菌の胃粘膜傷害に対する抵抗を高めることを示唆するもので,ピロリ菌の感染に対する抵抗を高めることを示すものではない。しかしながら,日本人の半数以上がピロリ菌に感染し,高年齢ほど感染率が高いことはまさにピロリ菌の感染率と「過度の米食および低蛋白食の経験」が強く相関していることを示している。従って感染成立機序にもグルタミンの不足が関わっている可能性がある。おそらく胃粘膜傷害が感染成立機序の一部となっているのであろう。
J. Med. Microbiol. 46, 793 (1997)
Am. J. Physiol. Gastrointest. Liver Physiol. 283, G1264 (2002)
前者はピロリ菌が胃粘膜のグルタミンを枯渇させること,後者はピロリ菌の産生するアンモニアが胃粘膜を傷害するのをグルタミンが抑制することを報告したものである。
前回書いたように,過度の米食および低蛋白食はグルタミンの供給を下げる。その結果,胃粘膜のピロリ菌に対する抵抗力が落ちて胃潰瘍,胃癌へと結びつくことが考えられるわけである。
上の論文はグルタミンがピロリ菌の胃粘膜傷害に対する抵抗を高めることを示唆するもので,ピロリ菌の感染に対する抵抗を高めることを示すものではない。しかしながら,日本人の半数以上がピロリ菌に感染し,高年齢ほど感染率が高いことはまさにピロリ菌の感染率と「過度の米食および低蛋白食の経験」が強く相関していることを示している。従って感染成立機序にもグルタミンの不足が関わっている可能性がある。おそらく胃粘膜傷害が感染成立機序の一部となっているのであろう。
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